深読み

リニア新幹線の命運を握る川勝知事がJR側の提案を受諾、リニア賛成派への転向か、という話が前回。

 

さらに6月に入って促進期成同盟会に加入を申請した。これは賛成派の中に入り込む、というわけで、それこそ賛成派への転向確定か、と反対派には驚愕のニュースとなった。

 

具体的には、リニアが開通して現在の「のぞみ」機能を果たすようになった場合、「ひかり」「こだま」機能を東西の中心にある静岡が果たせるようにしてほしい、本数の増発につなげてほしい、という希望である。

 

これはいかにも、当事者にとっては利益誘導という意味でわかりやすい要望ではある。賛成派にとっても受け入れやすい内容でもある。なので、川勝知事賛成派転向決定、という様相を表したニュースが流れることとなった。

 

しかし、本当だろうか。水資源の確保、という今までの反対理由と、経済的な静岡への利益誘導、とは直接結び付くわけでもない。これで川勝知事が賛成派になった、というのはあまりに表面的で、そのまま受け取っていいものだろうか。実際に工事延期が事実上の状況となった現在、困り果てている国とJR側はこの程度の発言で、知事は賛成派だ、工事着工は決定だ、すべて解決、と安心しているのだろうか。

 

このあたりをさらに考えてみると少し面白いものが見えてくるのではないか。

まずは二つの視点が見えてくる。