事故の話ー番外

リニア工事で事故が続いて再開のメドもたたない、という話が続いたが

東京外環工事での訴訟の話をまとめてみる。

 

東京の外環工事はあの大都会の真下の工事で、多くの住民が暮らしているその中での工事。慎重に慎重を重ねて進めなければならないはずの工事で、住宅街のど真ん中、一般民家の正面で大規模な陥没事故が発生した。

 

こういった事故ではその責任を認めようとしないのが国策、お役所仕事ではあるがさすがに、当社とは無関係とは証明できない、と実質その責任を認めてきた。まあ当然ではあるが、これもある意味重要な点ではある。

 

その後工事差し止めを求める住民訴訟が起き、この仮処分申請に対し、差し止めを認める判決が出た。陥没事故が起きたのが2020年10月、そして画期的な差し止め命令が出たのが2022年2月28日、1年半ほどかかってはいるが事業規模の大きさを考慮すると迅速とは言って良い判決だろう。

 

大きな論点は二つで、工事の続行は住民への被害が予想され人格権等の侵害であるもの、具体的な再発防止策がない、という点。このためシールド工法での工事が差し止められ、裁判所の判断がない限りその再開は認められないという状況になっている。

 

現在の時点でまったくその後の進展がなく、当然だが該当地区での工事は中止になったままである。このあたり、もう少し考えてみたい。